電子レンジ 電気代|1回とオーブンレンジの差
結論
省エネ法の条件なら年間約1,814〜2,365円。700W・3分の温めは約1.1円、オーブン試験1回は13.5〜18円です。
電子レンジは「1,000W」と書いてあっても、コンセントから取り込む電力とは限りません。この記事では、単機能レンジ1機種とオーブンレンジ3機種の公式仕様を同じ単価で計算しました。省エネ法の平均的な使い方では年間約1,814〜2,365円(1か月あたり約151〜197円)です。確認日は2026年10月25日です。特定の製品をすすめる記事ではありません。
電気代は「消費電力量(kWh)×単価」です。式の使い方は暖房器具の電気代の比べ方と同じです。
比較の前提
- 単価は31円/kWh(税込):公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)の目安単価です。令和4年7月22日に改定された値で、2026年10月25日時点のQ&Aでもこの金額です。契約している小売電気事業者の料金とは別です
- 年間消費電力量は省エネ法の測定値:電子レンジ機能、オーブン機能、待機を、決まった回数で合計した値です。家庭の実使用そのものではありません
- 1分あたりは定格消費電力が続いた場合:出力を下げると、実際の消費電力は仕様にないことが多いです。その場合は計算しません
- 丸め:1分あたりは小数第3位を四捨五入して小数第2位まで示します。1円単位の金額は、1円未満を四捨五入しています(0.5円は切り上げ)。内訳をそれぞれ丸めると、合計と1円ずれることがあります
- 本体価格は載せない:今回の機種はオープン価格、または仕様ページに販売価格がありません
自分の契約単価が31円でないときは、表の金額を31で割ってから、その単価を掛けて読み替えられます。省エネ性能カタログの表示例(62.2kWh/年で1,680円)は27円/kWhです。31円だと62.2×31=約1,928円になります。27円で書かれた目安電気料金の読み方は統一省エネラベルの見方にまとめています。
高周波出力と消費電力は別の数字
カタログの「1,000W」「500W」は、多くの場合高周波出力(食品を温める側の出力)です。電気代に使うのは消費電力(コンセントから取り込む電力)です。今回確認した機種では、消費電力のほうが高くなっています。
| 機種 | 種類・庫内容量 | レンジの消費電力 | 高周波出力 | オーブンの消費電力 |
|---|---|---|---|---|
| シャープ RE-TM18 | 単機能・18L | 970W(50Hz)・1,320W(60Hz) | 520W(50Hz)・650W(60Hz)。ほかに500W・解凍200W相当 | なし |
| パナソニック NE-BS5D | オーブン・26L(区分D) | 1,420W | 1000Wは最大約3分。その後600W。手動は1000・600・500・300・150W相当 | 1,350W(ヒーター出力1,330W) |
| 東芝 ER-D4000C | 過熱水蒸気・26L(区分F) | 1,430W | 1000Wは最大3分。連続定格は600W | 1,430W(ヒーター出力1,410W) |
| 東芝 ER-D100C | 角皿式スチーム・30L(区分E) | 1,430W | 1000Wは最大3分。連続定格は600W | 1,350W(ヒーター出力1,350W) |
区分A〜Fは、家庭用品品質表示法の電気機械器具品質表示規程で決まっています。Aはオーブンのない単機能レンジ、Dはヒーターが露出していないオーブンで庫内容積30L未満、Eは同じ加熱方式で30L以上、Fは熱風循環加熱方式です。達成率は、同じ区分の中で比べる数字です。NE-BS5Dは100%、ER-D4000Cは103%、ER-D100Cは104%、RE-TM18は102%と各社が公表しています。
RE-TM18は、東日本の50Hzと西日本の60Hzで定格が違います。1分あたりの電気代は50Hzのほうが小さくなりますが、高周波出力も520Wと650Wで違います。同じ食品を温める時間は、この仕様だけでは分かりません。年間消費電力量の表示は、50Hzも60Hzも58.5kWh/年です。
NE-BS5Dと東芝の2機種は、1,000Wの高周波出力が最大3分で、その後は600Wに切り換わると仕様にあります。3分を超える加熱を、1,420Wや1,430Wのまま続ける計算にはできません。600Wのときの消費電力は、確認した仕様にありません。
定格消費電力で動かしたときの1分・3分
計算式は「消費電力(W)÷1,000×時間(時間)×31」です。1,420Wを1分使うと、1.42×1/60×31=約0.73円です。
| 機種と条件 | 1分 | 3分 |
|---|---|---|
| RE-TM18・50Hz(970W) | 約0.50円 | 約1.50円 |
| RE-TM18・60Hz(1,320W) | 約0.68円 | 約2.05円 |
| NE-BS5Dのレンジ最大(1,420W) | 約0.73円 | 約2.20円 |
| NE-BS5Dのオーブン(1,350W) | 約0.70円 | 約2.09円 |
| ER-D100C・ER-D4000Cのレンジ最大(1,430W) | 約0.74円 | 約2.22円 |
| ER-D100Cのオーブン(1,350W) | 約0.70円 | 約2.09円 |
| ER-D4000Cのオーブン(1,430W) | 約0.74円 | 約2.22円 |
NE-BS5Dのグリルも消費電力1,350Wなので、定格のままならオーブンと同じ1分約0.70円です。東芝の2機種は、オーブンとグリルの消費電力が一つの欄にまとめてあります。
オーブンを定格のまま10分続けた場合は、NE-BS5DとER-D100C(1,350W)で約6.98円、ER-D4000C(1,430W)で約7.39円です。予熱や温度キープで消費電力が下がる時間は、この金額に含まれません。
省エネ法の使い方にした1か月・1年
年間消費電力量は、次の三つを足したものです(消費者庁の品質表示規程、省エネ性能カタログ2025年版)。
- レンジ機能:285g・245g・125g・185gの加熱1回の電力量に、使用実態の係数を掛けて合計する
- オーブン機能:試験1回の電力量×31回
- 待機:1時間あたりの電力量×6,400時間
カタログにあるレンジ加熱の回数は、次のとおりです。合計1,164回で、1日あたり約3.2回です。冷凍食品や解凍には1.2〜2.2の加熱係数が掛かるため、1,164回がそのまま同じ電力量というわけではありません。
| メニュー | 質量と容器 | 年間の回数 |
|---|---|---|
| 冷蔵食品の加熱 | 285g・大皿・丼(陶器) | 363回 |
| 冷蔵食品の加熱 | 125g・中皿・茶碗(陶器) | 314回 |
| 冷凍食品の加熱 | 285g・大皿・丼(陶器) | 99回 |
| 冷凍食品の加熱 | 125g・中皿・茶碗(陶器) | 115回 |
| 生もの(冷凍)の解凍 | 245g・大皿・丼(陶器) | 55回 |
| 生もの(冷凍)の解凍 | 125g・中皿・茶碗(陶器) | 13回 |
| 飲み物の加熱 | 185g・コップ(ガラス) | 205回 |
この条件で公表されている年間消費電力量を、31円/kWhで計算しました。1か月は、年間を12で割った値です。
| 機種 | 年間消費電力量 | 年間の電気代 | 1か月あたり |
|---|---|---|---|
| RE-TM18(単機能) | 58.5kWh | 約1,814円 | 約151円 |
| NE-BS5D | 70.4kWh | 約2,182円 | 約182円 |
| ER-D4000C | 71.0kWh | 約2,201円 | 約183円 |
| ER-D100C | 76.3kWh | 約2,365円 | 約197円 |
単機能のRE-TM18と、この表で最も多いER-D100Cの差は17.8kWh、約552円/年です。省エネ性能カタログは、熱風循環加熱方式の2024年の平均値を70.5kWh/年としています。31円だと約2,186円/年、1か月あたり約182円で、上のオーブンレンジと近い金額です。
内訳が公表されている機種は、レンジ部が年間の大半です。待機は、パナソニックが「待機時消費電力ゼロ」と自動電源オフ、シャープが待機時0.0kWh/年と電源オートオフ、東芝の2機種が待機時0.0kWh/年と仕様にあります。NE-BS5Dの待機分は、年間70.4kWhからレンジ部56.9kWhとオーブン部13.5kWhを引いた0kWhです。
| 機種 | レンジ部 | レンジ部の電気代 | オーブン部 | オーブン部の電気代 | 待機 |
|---|---|---|---|---|---|
| RE-TM18 | 58.5kWh | 約1,814円 | なし | なし | 0.0kWh |
| NE-BS5D | 56.9kWh | 約1,764円 | 13.5kWh | 約419円 | 0kWh(70.4−56.9−13.5) |
| ER-D4000C | 56.0kWh | 約1,736円 | 15.0kWh | 465円 | 0.0kWh |
| ER-D100C | 58.3kWh | 約1,807円 | 18.0kWh | 558円 | 0.0kWh |
オーブン部は「試験1回×31回」です。試験は、庫内を空にして、開始時の温度(23℃前後)から177℃上げ、その温度を20分保つまでの電力量です(品質表示規程の測定方法)。料理1回と同じ電力量とは限りません。金額にすると、31円/kWhでは次のとおりです。
- NE-BS5D:13.5kWh÷31回=約435Wh、1回13.5円
- ER-D4000C:15.0kWh÷31回=約484Wh、1回15円
- ER-D100C:18.0kWh÷31回=約581Wh、1回18円
使い方を変えたときの試算
700Wで3分温める場合
省エネ性能カタログのジャー炊飯器(2025年版)は、動作時700Wの電子レンジで3分加熱すると35Wh(700W×3/60時間)としています。31円/kWhだと1回1.085円、小数第2位を四捨五入すると約1.1円です。月・年は、丸める前の1.085円から計算しています。
| 回数 | 電力量 | 電気代 |
|---|---|---|
| 1回(3分) | 35Wh | 約1.1円 |
| 1日3回 | 105Wh | 約3.3円 |
| 30日×1日1回 | 1.05kWh | 約33円 |
| 30日×1日3回 | 3.15kWh | 約98円 |
| 365日×1日1回 | 12.775kWh | 約396円 |
| 365日×1日3回 | 38.325kWh | 約1,188円 |
ごはんを炊飯器で保温し続ける場合との比較は、同じカタログの試算を炊飯器の保温と温め直しの電気代で整理しています。700Wは、上の4機種の定格消費電力そのものではありません。
オーブンを週に数回使う場合
NE-BS5Dのオーブン試験1回を13.5円のまま回数だけ変えると、次のとおりです。家庭の調理が試験と同じ電力量とは限りません。
| 仮定 | 回数 | オーブン分の電気代 | 年31回との差 |
|---|---|---|---|
| 省エネ法の回数 | 31回/年 | 418.5円 | 0円 |
| 週1回 | 52回/年 | 702円 | 283.5円 |
| 週2回 | 104回/年 | 1,404円 | 985.5円 |
| 週3回 | 156回/年 | 2,106円 | 1,687.5円 |
週3回でも、増えるのは年約1,688円です。レンジ部を省エネ法の回数のまま約1,764円足すと、合計は約3,870円/年になります。ER-D4000Cは1回15円、ER-D100Cは1回18円なので、同じ回数ならこの表より多くなります。
冷凍食品を温める回数は上の年間値に入っています。食品を凍らせておく冷蔵庫の電気代は入っていません。冷蔵庫は容量別の電気代で別途比べられます。
ガスコンロでゆでる場合との比較
省エネ性能カタログ(2025年版)は、100gの野菜を1Lの水(27℃程度)で沸騰させてゆでる場合と、電子レンジで下ごしらえする場合を、365日・1日1回で比べています。実測は一般財団法人省エネルギーセンターによります。食材の量で結果は変わるとカタログにあります。
カタログに印刷された電気代は、同じ電力量を27円/kWhで計算した金額に近いです(葉菜13.21kWh×27円=約357円で、記載は約360円)。下の「31円で計算」は、電力量だけを家電公取協の単価に置き換えた値です。ガス代の円は、カタログの記載のままです。ガスの契約単価では読み替えられません。
| 食材 | ガスコンロ(年間) | 電子レンジ(年間) | 電気代を31円で計算 | 差(ガス代−31円の電気代) |
|---|---|---|---|---|
| 葉菜(ほうれん草、キャベツ) | 8.32m³・約1,350円 | 13.21kWh・カタログは約360円 | 約410円 | 約940円 |
| 果菜(ブロッコリー、カボチャ) | 9.10m³・約1,470円 | 15.13kWh・カタログは約410円 | 約469円 | 約1,001円 |
| 根菜(ジャガイモ、里芋) | 9.48m³・約1,540円 | 22.01kWh・カタログは約590円 | 約682円 | 約858円 |
1回は年間を365で割り、1か月は30日分にしています。
| 食材 | レンジ1回 | ガス1回 | レンジ30日 | ガス30日 |
|---|---|---|---|---|
| 葉菜 | 約1.1円 | 約3.7円 | 約34円 | 約111円 |
| 果菜 | 約1.3円 | 約4.0円 | 約39円 | 約121円 |
| 根菜 | 約1.9円 | 約4.2円 | 約56円 | 約127円 |
この条件では、下ごしらえを電子レンジにすると、ガスコンロでゆでるより年間約858〜1,001円少なくなります。1回の差は約2.3〜2.7円です。カタログは、煮込みの野菜を電子レンジで先に加熱してから鍋に入れる使い方も挙げています。
カタログが挙げる使い方
省エネ性能カタログは、次の使い方を挙げています。金額の保証ではなく、加熱時間を短くするための注意です。
- 洗った野菜は水気を残し、厚みや大きさをそろえる。途中で裏返したり、かき混ぜたりする
- 液体は丸い容器に入れ、途中でかき混ぜて加熱ムラを抑える
- 時間は短めにして、様子を見ながら加熱する。突沸、発煙、発火に注意する
- 解凍は半解凍のあと自然解凍にすると、カタログは節電になると説明している
- オーブンは、大きさや厚さをそろえ、詰めすぎない。加熱中にドアを何度も開けると庫内温度が下がり、調理時間が長くなる
待機時消費電力がゼロの機種は、使っていないときに電源が切れる、とカタログは説明しています。今回の4機種の年間待機時消費電力量は0kWhです。
湯沸かしの電気代は電気ケトルと電気ポットの比較で、機種ごとのWhの見方は炊飯器の記事と同じ考え方です。
よくある質問
Q. 電子レンジの電気代は1回いくらですか?
省エネ性能カタログが使っている「700Wで3分」(35Wh)を31円/kWhで計算すると、約1.1円です。1,420Wの定格が3分続いた場合は約2.20円です。食品の量と出力で変わります。
Q. オーブンレンジは単機能よりどれくらい高いですか?
今回の4機種を省エネ法の条件で比べると、年間約1,814〜2,365円で、差は約552円です。オーブン試験1回は13.5〜18円で、週3回に増やしても増分は、NE-BS5Dの例で年約1,688円でした。
Q. ガスコンロと電子レンジはどちらが安いですか?
カタログの野菜100g・1日1回の条件では、電子レンジのほうが年間約858〜1,001円少なくなります(電気は31円/kWh、ガス代はカタログ記載)。1回の差は約2〜3円です。ガスの契約単価が違う場合は、この円額のままではありません。
Q. 1,000Wは500Wの2倍の電気代ですか?
高周波出力が2倍でも、消費電力が2倍とは限りません。今回のオーブンレンジは、1,000W出力のときの消費電力が1,420Wまたは1,430Wで、500W出力のときの消費電力は仕様にありませんでした。1,000Wは最大3分で600Wに切り換わります。
出典(2026年10月25日確認)
- 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問 Q&A」Q7 電力料金の目安単価
- 消費者庁「電子レンジ」(品質表示の区分と年間消費電力量)
- 消費者庁「電気機械器具品質表示規程(六 電子レンジ)」(測定方法と算定式)
- 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ2025年版「電子レンジ」(PDF)
- 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ2025年版「ジャー炊飯器」(PDF。700W・3分=35Whの試算)
- パナソニック「NE-BS5D 仕様」
- シャープ「RE-TM18 仕様」
- 東芝ライフスタイル「ER-D4000C」
- 東芝ライフスタイル「ER-D4000C 寸法・仕様」
- 東芝ライフスタイル「ER-D100C」
- 東芝ライフスタイル「ER-D100C 寸法・仕様」