炊飯器 保温 電気代|炊き直しとの時間比較
結論
公表値で計算すると保温は1時間0.3〜0.7円、炊飯は1回3〜7円。約7〜10時間保温すると炊き直し1回分の電気代を超えます。
炊いたご飯は保温と冷凍のどちらが安いのか。結論から言うと、保温の電気代は1時間あたり0.3〜0.7円ほどと小さいものの、7〜10時間続けると炊き直し1回分を超えます。資源エネルギー庁の省エネ性能カタログも、保温は4時間までを目安とし、それより長いなら電子レンジで温め直すほうが少ないエネルギーで済むと説明しています。メーカーの公表値を同じ単価で計算して並べました(2026年10月21日確認)。
比較の前提
- 数値の出どころ:象印マホービンの各製品ページの「商品仕様」にある、1回あたりの炊飯時消費電力量と1時間あたりの保温時消費電力量です。家庭用品品質表示法で表示が決められた項目です。炊飯量やメニューで実際の値は変わります
- 単価:電気31円/kWh(税込)。全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価
- 同じメーカーでそろえた理由:方式と容量の違いを見やすくするためです。他社製品も仕様表のWhに単価を掛ければ比べられます
機種別の1回・1時間あたりの電気代
| 機種(方式・最大炊飯容量) | 炊飯1回 | 炊飯1回の電気代 | 保温1時間 | 保温1時間の電気代 | 24時間保温 | 炊き直しと同額になる保温時間 | 年間消費電力量・電気代 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| NL-BF05(マイコン・3合) | 92.4Wh | 約2.9円 | 10.4Wh | 約0.32円 | 約8円 | 約8.9時間 | 37.8kWh・約1,170円 |
| NS-NH05(マイコン・3合) | 95.3Wh | 約3.0円 | 11.5Wh | 約0.36円 | 約9円 | 約8.3時間 | 39.1kWh・約1,210円 |
| NP-RU05(圧力IH・3合) | 111Wh | 約3.4円 | 12.5Wh | 約0.39円 | 約9円 | 約8.9時間 | 47.2kWh・約1,460円 |
| NP-GM05(IH・3合) | 115Wh | 約3.6円 | 14.7Wh | 約0.46円 | 約11円 | 約7.8時間 | 50.3kWh・約1,560円 |
| NW-MC07(圧力IH・4合) | 105Wh | 約3.3円 | 14.8Wh | 約0.46円 | 約11円 | 約7.1時間 | 47.3kWh・約1,470円 |
| NW-BC10(圧力IH・5.5合) | 139Wh | 約4.3円 | 16.8Wh | 約0.52円 | 約12円 | 約8.3時間 | 77.1kWh・約2,390円 |
| NW-YD10(圧力IH・5.5合) | 140Wh | 約4.3円 | 16.8Wh | 約0.52円 | 約12円 | 約8.3時間 | 77.2kWh・約2,390円 |
| NV-KA10(IH・5.5合) | 143Wh | 約4.4円 | 18.3Wh | 約0.57円 | 約14円 | 約7.8時間 | 80.5kWh・約2,500円 |
| NW-QC10(IH・5.5合) | 148Wh | 約4.6円 | 17.6Wh | 約0.55円 | 約13円 | 約8.4時間 | 81.1kWh・約2,510円 |
| NL-DT10(マイコン・5.5合) | 162Wh | 約5.0円 | 16.8Wh | 約0.52円 | 約12円 | 約9.6時間 | 82.5kWh・約2,560円 |
| NW-QC18(IH・1升) | 185Wh | 約5.7円 | 23.4Wh | 約0.73円 | 約17円 | 約7.9時間 | 124.2kWh・約3,850円 |
| NL-DT18(マイコン・1升) | 215Wh | 約6.7円 | 21.7Wh | 約0.67円 | 約16円 | 約9.9時間 | 129.0kWh・約4,000円 |
※電気代は消費電力量×31円、年間は10円単位で丸めています。「炊き直しと同額になる保温時間」は炊飯1回の電力量を保温1時間の電力量で割った値です。年間消費電力量は省エネ法の使用条件で計算された公表値で、多くはエコ炊飯メニューの値です。
同じ5.5合でも、炊飯1回は139〜162Wh、保温1時間は16.8〜18.3Whと機種で差があります。5.5合・1升ではマイコン式の炊飯1回の電力量がIH・圧力IHより多めでした。一方、3合のマイコン式は炊飯も保温もこの表で最も少なくなっています。
保温を続けるか、炊き直すか
表の「炊き直しと同額になる保温時間」は、どの機種も約7〜10時間でした。たとえば5.5合のNW-QC10なら、炊飯1回は約4.6円、保温は1時間約0.55円なので、約8.4時間保温すると炊き直し1回分の電気代と同じになります。省エネ性能カタログも「約7〜8時間以上保温するなら、2回に分けて炊いた方がお得」としていて、今回の試算と近い結果です。
ただし、金額で見ると差は小さめです。NW-QC10で朝に炊いて夜まで12時間保温した場合は約6.6円、夜にもう一度炊いた場合は約4.6円で、差は1日2円ほどになります。資源エネルギー庁は、保温が長くなると風味も悪くなるとしています。
電子レンジで温め直す場合との比較
資源エネルギー庁の省エネ性能カタログ(2025年版)では、IH5.5合以上8合未満の平均値(炊飯158Wh/回、保温16.5Wh/時)と、消費電力700Wの電子レンジで3分温める場合(35Wh)を比べています。
| 食べ方 | 消費電力量 | 電気代(31円/kWh) |
|---|---|---|
| 炊飯+10時間保温 | 323Wh | 約10.0円 |
| 炊飯+4時間保温 | 224Wh | 約6.9円 |
| 炊飯+保温せずに電子レンジで3分加熱 | 193Wh | 約6.0円 |
カタログは「保温は4時間が目安」とし、まとめて炊いて冷凍保存することやタイマー予約をすすめています。1食ずつ何回も温めるなら、そのぶん回数を掛けて考えます。冷凍で増える冷蔵庫の電力は、この試算に含まれていません。冷蔵庫の電気代は冷蔵庫の電気代を容量別に比較で整理しています。電子レンジ側の1回・1か月の電気代は電子レンジとオーブンレンジの電気代で、消費電力と年間消費電力量から別に整理しています。
保温を続けた場合の年間の差
省エネ性能カタログでは、1日7時間保温してプラグを差したままにする場合と、保温せずにプラグを抜く場合を比べ、年間で45.78kWhの差としています(保温16.5Wh×7時間+待機0.62Wh×16時間を365日)。31円/kWhで計算すると年約1,420円です。カタログの金額(約1,240円)は別の単価で計算されているため、この記事の数字とは一致しません。
機種別に1日7時間の保温だけを計算すると、3合のNL-BF05は年約820円、5.5合のNW-QC10は年約1,390円です。
買い替えや比較のときに見るところ
- 炊飯時消費電力量(Wh/回)と保温時消費電力量(Wh/時):炊飯時消費電力(W)は最大の電力で、1回の電気代はWhのほうで比べます
- 年間消費電力量(kWh/年):メニューの条件(エコ炊飯など)が書かれているので、同じ条件同士で比べます
- 省エネ基準達成率:省エネラベルの読み方は省エネラベルの見方で詳しく説明しています
- 容量:最大炊飯容量が大きいほど1回・1時間の電力量は増えます。ふだん炊く量に合った容量を選びます
本体価格は販売店や時期で大きく変わるため、この記事では載せていません。保温する家電の電気代の考え方は電気ケトルと電気ポットの電気代比較とも共通しています。
よくある質問
Q. 炊飯器の保温の電気代は1時間いくらですか?
象印マホービンの公表値を31円/kWhで計算すると、3合で約0.32〜0.46円、5.5合で約0.52〜0.57円、1升で約0.67〜0.73円です。24時間続けると約8〜17円になります。
Q. 保温と炊き直しはどちらが安いですか?
今回の12機種では、約7〜10時間を超えて保温すると炊き直し1回分より高くなります。
Q. 冷凍してレンジで温めるほうが安いですか?
省エネ性能カタログの試算では、炊飯後に4時間保温すると224Wh、保温せずに700Wの電子レンジで3分温めると193Whで、温め直すほうが少なくなります。