温水洗浄便座 電気代|貯湯式と瞬間式の年間

家電の選び方 公式情報の確認日 最終更新日 公開日 執筆 トムシ

結論

節電機能ありの平均は瞬間式が年約2,760円、貯湯式が年約4,870円。現行品では年約2,050〜4,370円です。

温水洗浄便座の電気代は、お湯のつくり方でどれくらい変わるのか。結論から言うと、節電機能を使った場合のカタログ平均は、瞬間式が年89kWh(31円/kWhで約2,760円)、貯湯式が年157kWh(約4,870円)です。差は年約2,110円でした。パナソニックの現行9品番を同じ単価で並べると、年約2,050円から約4,370円です(2026年10月22日確認)。

比較の前提

  1. カタログの平均:資源エネルギー庁の省エネ性能カタログ2025年版の解説に載っている、2024年の代表機種の平均です。節電機能を使った場合で、貯湯式が157kWh/年、瞬間式が89kWh/年です。環境省の「しんきゅうさん」も、同じカタログを出所としてこの2つの数字を載せています
  2. 単価は31円/kWh(税込):全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価で、令和4年7月22日改定の値です。統一省エネラベルの「年間の目安電気料金」は27円/kWhで計算されているため、ラベルの金額とは一致しません。ラベルの見方は統一省エネラベルの見方にまとめています
  3. 測定の条件:パナソニックの仕様は、省エネ法(2012年度基準)に沿った値です。4人家族(男性2人・女性2人)、室温は冬5℃・春秋15℃・夏28℃、水温15℃。おしり洗浄が1日4回、ビデ洗浄が1日8回、男性の小用が1日4回です。括弧内のkWhは、8時間切タイマーによる節電をしない場合です
  4. この記事の金額:年間消費電力量×31円を、10円単位で四捨五入しています。メーカーが31円で計算して公表している金額は、その数字を使っています
  5. 本体価格は載せていません:希望小売価格を定めていない品番があり、店頭価格は時期で変わります

電気便座には、洗浄機能のない暖房便座もあります。今回数値を並べたのは、年間消費電力量を公式ページで確認できた温水洗浄便座です。

方式別の平均と、4人家族での試算

カタログの解説では、貯湯式はタンクの水をヒーターで温め、保温の電力が必要になると説明しています。瞬間式は使うたびに水を温め、保温は不要なため消費電力量は小さくなる一方、瞬間的に大きな電力が必要になると書かれています。

方式(節電機能を使用)年間消費電力量年間の電気代1か月あたり1日あたり
瞬間式の平均89kWh約2,760円約230円約7.6円
貯湯式の平均157kWh約4,870円約410円約13.3円
差68kWh約2,110円約180円約5.8円

※89×31=2,759円、157×31=4,867円、68×31=2,108円。1か月は年額の12分の1、1日は365分の1です。

試算例(同じ使い方が続く場合)

カタログ平均の条件(4人家族・節電機能あり)のまま使うと、10年分は次のとおりです。買い替えや料金改定は入っていません。

置き方1年10年
瞬間式の平均(89kWh)2,759円27,590円
貯湯式の平均(157kWh)4,867円48,670円
差2,108円21,080円

人数が少ない家庭で、この金額が人数分だけ安くなる、という公式の数字は確認できませんでした。貯湯式は使っていない時間もお湯を保温するため、使用回数が減った分だけ電気代が減るとは限りません。公表値は4人・1日16回の条件として見てください。

パナソニック現行9品番の比較

同じメーカーの現行品で、方式ごとの幅を見ます。数値は比較表の年間消費電力量と、31円/kWh・8時間切タイマー設定の年間電気代です。W瞬間式は、便座と洗浄水の両方を使うときだけ温める方式で、省エネ法の区分は瞬間式です。

品番方式年間消費電力量8時間切なし年間電気代省エネ基準達成率
DL-AWM600、DL-AWM400W瞬間式66kWh92kWh約2,050円204%
DL-RT50、DL-RT40瞬間式83kWh112kWh約2,570円162%
DL-RT20、DL-PV20、DL-PV10瞬間式104kWh140kWh約3,220円129%
DL-EVX20、DL-EVX10貯湯式141kWh194kWh約4,370円129%

この表でいちばん少ないDL-AWM600(66kWh)と、貯湯式のDL-EVX20(141kWh)の差は75kWhです。75×31=2,325円で、1年あたり2,325円(10円単位では約2,330円)、10年で23,250円の計算です。

DL-AWM600の個別の仕様ページにある年間電気代は1,780円/年で、注記は27円/kWhです。66×27=1,782円なので、比較表の約2,050円(31円)とは単価の違いです。同じkWhを、どちらの単価で見ているかをそろえます。

省エネ基準達成率は、方式ごとの目標に対する割合です。資源エネルギー庁のラベルの説明では、電気便座の星の算出に使う基準は貯湯式の目標基準値183kWh/年で、同じ種類どうしなら達成率が高いほど省エネだとされています。表の129%は瞬間式の104kWhと貯湯式の141kWhの両方にありますが、年間の電気代は約3,220円と約4,370円で同じではありません。方式をまたいで比べるときは、達成率ではなく年間消費電力量を見ます。

8時間切タイマーを使わない場合

括弧内の値は、8時間切による節電をしない場合です。差を31円で計算すると、機種によって年約810〜1,640円増えます。

品番8時間切ありなし増える電力量増える電気代
DL-AWM60066kWh(約2,050円)92kWh(約2,850円)26kWh約810円
DL-RT5083kWh(約2,570円)112kWh(約3,470円)29kWh約900円
DL-PV20104kWh(約3,220円)140kWh(約4,340円)36kWh約1,120円
DL-EVX20141kWh(約4,370円)194kWh(約6,010円)53kWh約1,640円

※92×31=2,852円、112×31=3,472円、140×31=4,340円、194×31=6,014円。増分は26×31=806円、29×31=899円、36×31=1,116円、53×31=1,643円です。

8時間切なしでDL-AWM600(92kWh)とDL-EVX20(194kWh)を比べると、差は102kWh、102×31=3,162円/年です。節電を使わない前提のほうが、方式による差は広がります。

フタと温度設定で減る分(貯湯式の実測)

省エネ性能カタログの解説は、一般財団法人省エネルギーセンターの実測として、貯湯式の使い方による削減量を載せています。掲載の金額は約940円・約710円・約370円で、34.90×27=942.3円なので、27円/kWhに近い計算です。31円に置き換えた試算も併記します。

使い方(いずれも貯湯式)減る電力量カタログの金額31円での試算
使わないときはフタを閉める(開けっ放しとの比較)34.90kWh約940円約1,080円
便座の設定を一段階下げる(中→弱。冷房期間は暖房オフ)26.40kWh約710円約820円
洗浄水の設定を年間一段階下げる(中→弱)13.80kWh約370円約430円

※31円の列は34.90×31=1,081.9円、26.40×31=818.4円、13.80×31=427.8円です。洗浄水の実測は、暖房期の周囲温度11℃、中間期18℃、冷房期26℃です。

3つは別々の実測です。同時に行った場合の合計としては足し合わせていません。カタログは、長時間使わないときは電源を切ること、タイマーなどの節電モードを使うことも挙げています。

最大消費電力と、一度に出るお湯の量

年間の電気代が小さい方式が、洗浄中の消費電力も小さいわけではありません。仕様ページで確認できた最大値は次のとおりです。瞬間式の最大消費電力は、水温5℃・室温0℃のときの値です。

品番方式最大消費電力洗浄の最大流量貯湯量
DL-AWM600W瞬間式1,291W(便座の立ち上がり710W、安定時50W)湯0.45L/分なし
DL-RT50瞬間式1,234W(定格は本体1,020W、便座47W)湯0.45L/分なし
DL-PV20瞬間式1,234W(定格は本体1,020W、便座47W)湯0.45L/分なし
DL-EVX20貯湯式294W(定格292W。本体245W、便座47W)湯0.65L/分約0.47L

環境省の解説は、瞬間式は洗浄時の加熱で消費電力が大きくなるため、独立した電源が必要になる場合があると書いています。最大消費電力は、年間消費電力量とは別の確認項目です。テレビでも、定格のWと年間消費電力量は別だという点をテレビの電気代の比較で整理しています。

貯湯式のDL-EVX20は、最大流量0.65L/分に対して貯湯量が約0.47Lです。最大流量のまま出すと、0.47÷0.65で約0.7分(約43秒)分の計算です。パナソニックは、連続して使う家庭には湯切れのない瞬間式、お湯を保温する貯湯式は一人暮らしなど、と使い方の違いを説明しています。電気代の平均が低いのは瞬間式のほうです。

年間消費電力量は、カタログの解説では温水の加熱、便座、制御・操作の合計です。同じ解説の時間あたりの値には、脱臭・部屋暖房・温風乾燥は含まない、と注記があります。DL-AWM600には温風乾燥がありますが、66kWhに乾燥の電気代がどこまで入るかは、仕様ページには書かれていません。

選ぶときに見るところ

  • 年間消費電力量(kWh/年):電気代はこの数字に自分の単価を掛けて比べます。括弧の外が節電あり、中が節電なし、という読み方です
  • 方式:今回の平均と現行品では、瞬間式・W瞬間式のほうが貯湯式より年間の電力量は少なめでした。その代わり、瞬間式は最大消費電力が大きいです
  • 省エネ基準達成率:同じ方式の中で見る指標です。方式が違う129%どうしを、同じ電気代とは見なせません
  • 今使っている設定:フタを閉めているか、便座と洗浄水の温度、8時間切や学習型の節電をオンにしているかで、同じ製品でも変わります

ほかの家電を年間消費電力量で比べる例は、冷蔵庫の電気代を容量別に比較にもあります。冬の暖房とあわせて家の電気代を見るときは、エアコン暖房の1時間あたりの電気代も別の計算です。

よくある質問

Q. 瞬間式と貯湯式は、どちらが電気代が安いですか?

省エネ性能カタログ2025年版の、節電機能を使った代表機種の平均では、瞬間式が89kWh(約2,760円)、貯湯式が157kWh(約4,870円)で、瞬間式のほうが年約2,110円少ない計算です。製品ごとの幅はあり、パナソニックの現行品では66kWhから141kWhでした。

Q. 省エネ基準達成率が同じなら、電気代も同じですか?

同じとは限りません。達成率は方式ごとの目標に対する割合です。今回の表では、瞬間式の104kWhと貯湯式の141kWhがどちらも129%で、31円/kWhの年間電気代は約3,220円と約4,370円でした。

Q. 1人暮らしなら、4人家族の金額の4分の1ですか?

確認できた公表値は、4人家族が1日16回使う条件のものです。1人分に比例して減る、という公式の数字は見当たりませんでした。貯湯式は保温の電力があるため、使う回数が少なくても、その分だけ電気代が減るとは限りません。

出典(2026年10月22日確認)

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